フランスで生牡蠣を食べよう!(うんちくもあるよ)

食コトカ

ボンジュールと書いて、こんにちは!パリ在住コトカチャレンジクラブのヒロミシュリンヌです。

日本の牡蠣よりも潮の香りがしっかりしている、ミネラルたっぷりのフランス産牡蠣。そんなフランスの牡蠣をよりいっそうおいしく食べるために、どんなソースをかけたらいい?どんな飲み物に合うの?にお答えしていきます。

ついでに、フランスの牡蠣のことも一緒にちょっとお勉強してしまいましょう。お店やレストランで牡蠣を注文する時の参考になれば嬉しいです。

Huitre Bretagne

↑マルシェの牡蠣生産者直売スタンド。牡蠣好きとしては、見かけると、近づかずにはいられない。

牡蠣のシーズンは1年中?

フランスではRのつかない月は牡蠣を食べないと言われています。そうなると牡蠣食べない月は5~8月ってこと?!

でも実際はそんなことはないんですよ。フランスには牡蠣の産地が東西南北各地にあるし、養殖技術、輸送や保存の技術も発達し、一年を通して美味しい牡蠣が食べられるんです。

ただ、Rうんぬんと言うより、春になり海水が13度以上になると、牡蠣は繁殖期になり、栄養が子作りに使われてしまうそう。それが大体4月くらいで、その時期になると牡蠣の身が乳白色Laiteuseになり、フランス人はあまり価値を感じないようなんです。Huîtres Marennes-Oléronマレンヌーオレオン牡蠣組合のLaurent Chiron氏は8割の牡蠣愛好家はミルキーな牡蠣が好きではないと語っています。

でも日本人の私的にはフランスの牡蠣は潮気が強いので、ミルキーな牡蠣は日本の牡蠣を思い出させるまろやかさで、また違った味わいを楽しめると思っています。

そんなフランスで、ぜひとも一年を通して、いろいろな牡蠣を楽しんでいただきたいです。

実はフランスの牡蠣は日本原産?

フランスの牡蠣は1970年代に伝染病が流行り、絶滅の危機に陥ったところで手を差し伸べたのが日本の広島や三陸の牡蠣養殖業者。なので、フランスで食べられている多くの牡蠣のご先祖様は実は日本の牡蠣なのです。

育つ環境や海水が違えば、味も当然ながら変わります。当時の牡蠣業者間の日仏友好を想像しながら、牡蠣を食べ比べをすると楽しくなりませんか?私はわくわくします。

そうそう、フランス人に日本は牡蠣食べるの?なんて聞かれた時は、ぜひ上記のうんちく云々を語って、フランスの牡蠣好きに感謝されてしまいましょう。

牡蠣の種類は2種類

日本のマガキにあたる細長いクルーズCreuse、ヒラガキにあたる丸いプラットPlateの2種がフランス産の主なる牡蠣。ちなみに牡蠣のフランス語Huîtreが女性動詞なので、関連ワードも女性形です。

Creuseはミネラルたっぷりで9割以上のフランスの牡蠣はこの品種。1割弱のPlateはナッツ系の味わいがあり、生産量も少なく、値段もCreuseの2~3倍近くすることもあり高級品です。

huître creuse

↑Huître Creuse(マガキ)と↓Huître Plate(ヒラガキ)。表面も形もずいぶん違いますね。

huître plate

Pleine merはストレスフリー?でも・・・

通常、牡蠣が海水に入ったり出たりを繰り返し、潮の満ち欠けを利用して育てますが、Pleine merはずっと海水に浸かったまま育てらます。ずっと深めの海水に浸かったまま、外気に触れたりと、自然の驚異にさらされたりしないストレスフリーな環境。危機感なく育ったことが味にも影響して塩味が強く、よく言えばシンプルでナチュラル、別の言い方をすれば、単調で味に深みがない?

そしてPleine merで育った牡蠣は、手間のかからない分お値段もお安くなりお手頃感があります。ざっくりCreuse価格の半額。ということはPlateの何分の1の価格だ??

牡蠣さん
牡蠣さん

人も牡蠣も、荒波にもまれる波乱万丈な人生を歩んでいると、魅力的になるのよ。心地よいストレスフリーな環境にずっと居続けること、それはあなたにとって、本当に価値のあることなのかしら?

そんな声か牡蠣さんから聞こえてきそうです。

牡蠣の殻サイズ表示

さて、牡蠣さんの声を聞いたところで、殻のサイズ表示について。番号0から6番で表示し、番号が小さいほどサイズが大きく、よって身も大きくなり、よって値段もあがります。ヒロミン的にはできればNo. 2あたりが値段が合えばおすすめです。それより小さいと、身が小さすぎて、ちょっと食べ応えがね。まぁ、なにごとも好みではありますが。

牡蠣の身サイズ表示

それから身のサイズはフィーヌFineとスペシャールSpécialeの2種。違いは牡蠣の養殖時の環境にあります。

通常、牡蠣は養殖用の籠に入れて育てるのですが、SpécialeはFineの半分しか牡蠣を籠に入れません。与える食料の量は同じなので、Spécialeのほうが海藻を倍食べていて、飽食状態で身も肉厚、フランス語でいうCharnue、そしてRの付く月の多い秋以降に出回ります。

牡蠣さん
牡蠣さん

やっぱり、私たち牡蠣も美味しい海藻をたくさん食べてるとおいしく育つわけよね。

 

えっ?波乱万丈の人生が身を美味しくするって?そんなわけないじゃない。やっぱり優雅に暮らすっていいわよ。

って、牡蠣さんの別の声が。なんだか、さっきとは全然違うこと言っていませんかね。。

殻剥きはお願いしちゃいましょう

さて、気まぐれな牡蠣さんはもうほおっておきましょう。

私は殻剥き苦手なので、買ったお店で殻を開けてもらって家に持って帰ります。無料でやってくれるところ、有料でも1ユーロだったり、お心づけでやってくれるところは少なくないです。お心づけなら、1ダースに付き1か2ユーロあたりが相場のようです。

いやいや、これを機会に自分で牡蠣を開けてみたいというのならYoutubeでたくさん牡蠣の剥きかたの動画がみつかりますので、ぜひチャレンジですね。

ちなみに、サンマロ在住の知り合いベルティエさんが「安全に牡蠣を開ける!Ouvrir les huitres sans danger !」という動画を出しているので、ぜひ見てみてね。

当然ながら、手元には気を付けてください。ベルティエさんからのアドバイスは牡蠣ナイフの先っちょに近いところを利き手で掴み、もう一方の手で牡蠣をしっかりとつかみ、両手の距離を短くし、手元を安定させることとのこと。手の位置が準備できたら、貝柱を一気にナイフで切るとあとは自然に牡蠣が殻を開けてくれるそうです。コツ掴んだらサクサク剥けちゃうよ~って達人からのお言葉です。

達人はそういいますがね、初心者は油断せず、くれぐれもグサッといくことのないようにお願いいたします。牡蠣の消費が多くなる年末年始の病院の緊急は、グサッとやってしまった人がわんさか訪れると聞きますからね。

牡蠣を開けた直後の水は捨てよう

開殻直後の牡蠣からでる水は塩辛いの捨ててしまいましょう。あの磯の香りのする牡蠣からの水好きなんだよねという方も、ご安心ください。牡蠣は開殻後も生きていいるので、水を出し続けます。2度目以降の水はまろやかでとてもおいしく、よい酒の肴となります。

牡蠣フォークを使って食べましょう

さて、いよいよ、お皿にのった牡蠣がやっとあなたの前にやってきます。嗚呼、感無量。。

でも、むむ、牡蠣は殻から取れないぞ。そうなんです、まだ生きている牡蠣。なので、下のような牡蠣フォークの側面を使って、貝柱をスパっと切って殻から外しましょう。

私は最初、牡蠣フォークだと貝柱がきれいに取れず、苦手でしたが、他に手段もないので、慣れてしまいましょう。マナー的にそれしかないチョイスなしです。がんばって!

ズバリ「生でそのまま」がおすすめ

さて、ざっくり、フランス産牡蠣の勉強をしたところで、次はどうやって?なにをつけて食べたらよりおいしくなる?にお答えしていきましょう。

フランスは基本、殻から直接生で頂きます。日本の牡蠣より身が小さいので、牡蠣フライできることはできるけれど、ちょっと食べ応えにかけるかかも。ソテーも然りです。そして潮味も強いので、新鮮な牡蠣を非加熱で頂くことをおすすめします。

オススメソース① : なにもつけない

なら、どんなソースで?ってことですが、ヒロミンのおすすめは、ずばり「なにもつけない」です。

おすすめ「ソース」と言っておきながら、すみません。でもね、フランスの牡蠣は潮気が強いこともあり、何もつける必要がないかな~っと思います。それに、まずはおもっきり潮の凝縮されたような磯の香りを楽しんで頂きたいのです。

オススメソース② : タバスコ

何かつけるのなら、イチオシはタバスコ。初めて食べたのはSeptime系11区の魚介レストランCramatoの自家製タバスコ。タバスコと牡蠣?って思いましたが、タバスコのいい感じの酸味と辛味が牡蠣とよく合うんでうしょね。ピザにつけるだけではホントもったいない。ぜひ牡蠣に一振りして食べていただきたい調味料です。

世界中どこのスーパーにもあるMc Ilhenny Co.のタバスコで十分美味しいです。だまされたと思って一度お試しあれです。

オススメソース③ : エシャロットと赤ワインビネガー

フランスの魚介レストランの定番ソース。私もレストランで何もつけない牡蠣に変化をつけたいときは、こちらのソース。エシャロットを細かくみじん切りし、赤ワインビネガーと黒コショウを混ぜるだけ。牡蠣と酢の酸味って合います

オススメソース④ : ポン酢

フランスですがポン酢もいいですよ。醤油ベースがあわないわけがない。そしてお酒は、フランスでもぜひ日本酒を熱燗で。そうしたら、もうあなたの目の前に太平洋が広がっていることでしょう。

オススメソース⑤ : 黒胡椒

粗挽き黒胡椒のピリッとした辛さとこくが牡蠣の潮気によく合います。白胡椒も試したけれど、挽きたての黒胡椒の濃厚さが白胡椒のフレッシュさより合うと感じました。

オススメソース⑥ : レモン

超定番なので一応入れておきます。潮気の強い牡蠣にはレモンの酸味あいますね。嫌いじゃないですが、定番過ぎてねぇ。。ちょっとかけすぎると酸っぱくなっちゃうし。

そんなわけで、あなたに「牡蠣=レモンかけなきゃ」という思い込みがあるのなら、撤廃してもいいのかもしれないです?唐揚げにレモンも然りと思っています。

いよいよ牡蠣にあわせる飲み物は?

赤ワインいいよ!

「牡蠣=魚介=白ワイン」というのが鉄板と思われていますが、いやいや、「牡蠣=赤ワイン」もとてもよく合うんです。

赤ワインのおすすめは軽めの黒胡椒のアロマものがヒロミン的にはベストマッチング。例えば、ボジョレーのガメ、アルザスのピノノワールなどいかがでしょうか?

ところで、生牡蠣を食べると、体が冷える感じがしませんか?私、あれがちょっと苦手で。。

夏に南仏やボルドーで海辺のテラスで冷えた白ワインと一緒にいただくのなら白もよしと考えますが、冬場は軽めの赤ワインと一緒なら体温を下げ過ぎないといいんじゃないかと考えます。白ワインの酸味とビネガーやレモンの酸味で酸味祭りもいいですが、そんなに酸味ばかりいらないと言うならば、ぜひ一度赤ワインと合わせていただいてみることをおすすめします。

oyster redwine

どこでワインを買うの?

信頼できるワインカーブで牡蠣に合う赤ワインをお勧めしてもらってください。ちゃんとワインを飲みこなしているソムリエならではの、新たなる世界を発見させてくれるお手頃な赤ワインをお勧めしてくれるはずですよ。

ヒロミンのイチオシ魚介レストラン in パリ

私はパリで牡蠣を食べたいな~という時はまずこちらを思い浮かべます。魚介専門店なので新鮮なこと、そして、なにより、ナチュラルワイン派の女性ソムリエールが魚介にあうワイン選びを手伝ってくれます。

最初に赤ワインと魚介を合わせたのも、おぼろげだけれど、こちらのソムリエールのおすすめだったような記憶があります。

 

まとめ

フランスでは1年を通しておいしい牡蠣が食べられます。さまざまな牡蠣を、さまざまなソースで、そして「魚介には白ワイン」などという常識をぜひ覆して、ご自身の気持ちの赴くまま、新しい世界を体験してみてください。

きっとあなたのお気に入りが見つかりますよ!

 

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