ボンジュールと書いて、こんにちは!パリ在住コトカチャレンジクラブのヒロミシュリンヌです。
シャンパンメゾンで日本と中国市場営業経験3年の私が、シャンパンを飲む時の温度、ボトルの開け方、合わせる料理などをお伝えしていきます。
第1回【概要編】、第2回【用語編】、第3回【データ編】のあとは、今回の【実践編】と銘打って、実際に飲むところまでいってみましょう!
あぁ、もうシャンパンが飲みたくて、いてもたってもいられない!っとなってくれたら、とても嬉しいです。
シャンパンはいつ飲む?
シャンパンを世界一消費するフランス人はシャンパン大好きです。なにあると、いや、何もなくても、すぐに、
On ouvre une bouteille du champ !
シャンパンあけよぉ!
っとなります。私もそこ、大賛成です。
なにせ、シャンパンはお祝いのお酒です。お祝いごとが多い人生は、すばらしいですからね。
とくにお祝いごとがなかったとしても、そこは強引にでも、なんやかんやとお祝いコトカにするんですよね。そうやって自主的に幸を増やしていくのです。それでなくちゃです。
さて、皇帝ナポレオンはこう言ったそうですよ。
シャンパンなしでは生きていけない。
戦に勝った時こそ飲む価値があり、負けた時には飲む必要がある。
❝ Je ne peux vivre sans champagne.
En cas de victoire, je le mérite. En cas de défaite, j’en ai besoin.❞
それって、いつだって飲んでいますよね、皇帝?!
おいしく飲む温度は?
アペリティフに気軽に飲むシャンパンは、よく冷やしていただきます。5度くらいを目安に、冷蔵庫に半日くらい横に寝かせて冷やしておくイメージです。野菜室がいいとも聞きますので、場所があればそちらへ入れて冷やしてください。
グラン・クリュのような高品質シャンパンは、温度が低すぎると、なかなか味が引き出てこないので、もうちょっと高めの8~12度くらい頂くと、深き奥行きを味わっていただけますよ。
温度違いで飲んでみるのもおもしろいので、試しにシャンパンをキンキンに冷やしてたものと、15分くらいたったものとを、飲み比べてみてください。
きちんとつくられたよいシャンパンは、時間の経過とともに、優雅に変化していくんです。そして、その時間に寄り添って優雅に時を過ごすのです。嗚呼、至福の時。。
その一方で、時間がたつとすとんっと落ちて、うんともすんとも言わなくなるシャンパンもあるんです。ちょっと残念な気持ちにもなりますが、その経験もおもしろい。体験を楽しむお酒ともいえますね。
ボトルはどうやって開ける?
ワインはコルク抜きという道具が必要ですが、シャンパンは素手でポンっと抜栓できるのもいいところ。
コルクってなかなか上手に抜けないので、私苦手です。年代物でワインなど、コルクが傷んでいようものなら、もうお手上げです。その点、年代物でも、シャンパンはそこまでの苦労いらずです。
シャンパンは稀に開栓時にコルクがぶっ飛んでしまうこともありますので、清潔な布巾で押さえながら、コルクを右に回してゆっくり開けていきましょう。そしてプスっと静かな音がしたら上手に開けられた証拠です。
食事で全部シャンパンで通すのも楽しいシャンパン
さて、いよいよグラスに注ぎましょう。
選ぶグラスによってシャンパンの味がまったく変わってしまうので、グラス選びは超重要なんです。なので、こちらは第5回【グラス編】で単独で書きますね。
食事中すべてをシャンパンで通すのもよし
さてさて、グラスにいい温度に冷やされたシャンパンが注がれましたね。おいしく味わっていますか?
まずはアペリティフですか?
シャンパンはアペリティフからデザートまで、ソロでもマリアージュでも、とにかくどんな状況にでも、適応してしまう万能さんなんです。
カクテルパーティーでも、お食事では和洋折衷、焼肉にも、餃子にも、寿司にも、ピザにも、もちろんフレンチにもあう、よくあう。食後のチーズやデザートにもバッチリで、ある意味八方美人です。
発泡した八方美人~♪
っと、シャンパンらしからぬ、脱力おっさんギャグはさておき、あわせられないものはないと断言します。
たとえば、2人なら最初に1本シャンパンさえ頼んでしまえば、お店を出るまであれこれ考えずに安泰。この技は白ワイン、赤ワイン、日本酒、ビール、焼酎、ウィスキー、どのお酒でも単独で成し遂げられない秘伝の技、シャンパンならではです。
シャンパンは、他のワインよりも少々値が張るかもしれませんが、アペロの後、白頼んで、赤頼んでとしなくていいので、めんどくさがりの人にはもってこい。そして、選び方によっては経済的です。
でも飲めない方は無理しないで
と言いながら、体質的や健康上、宗教上、アルコールを飲めない方も多くいらっしゃいます。そんな方々は、無理せずに、場や雰囲気を楽しんでください。
そして、飲めない方への強要は、ホント犯罪ですからね、厳禁です。厳しく禁止です。
食事との相性
クリーミーなもの、脂っこいもの、塩気の多いもの、香り高いもの、さっぱりしたもの、シャンパンはどんなテイストでもよく合います。
「肉料理には赤ワイン」なんて、常識みたいに語られていますが、赤身肉、とくに脂ののった和牛ステーキはシャンパンによく合うんです。
赤ワインと合わせると、ヘビー&ヘビーな組み合わせで、おもくなっちゃうと思うんですが、シャンパンだと肉の動物性脂肪を酸味と泡でさっぱり流し、肉のこくのあるうまみとと調和してくれるんです。
それから天婦羅も塩をつけて食べるような海老天婦羅とか、シャルドネのミネラルが塩のミネラルと相乗効果&天婦羅のあぶらをさっぱりさせてくれます。
先日記事にした肉つきのよいCharnueな牡蠣やクリーミーなチーズなら、ピノノワール配分多めのものや、ドライなロゼもよさそう。
個人的には、餃子に一番合う飲み物はシャンパンじゃないかと思っています。大阪発祥で東京大阪で5店舗展開しているスタンドシャン食さんが有名です。私も伺いましたが、白トリュフオイルと岩塩の餃子とシャンパンとか、もう最高でした。日本人の好奇心とマリアージュ能力には脱帽。そして誇らしい。
ほかにも色で合わせるというマリアージュも、みめ麗しく、楽しい。サーモンや鴨肉とロゼシャンパンとか色も味もあいますね。
なんでもあってしまうシャンパンですが、あえて、あえて、あわないものを探すとなると、苦みや激辛は難しい。チョコレートやただ辛いだけの激辛とシャンパンはあわないかなと。でも同じ苦みでも、鮎の塩焼きのはらわたの上品な苦みや、辛い中にも抜群のうま味のフルーティーでコクのある自家製キムチはいけると思います。
次回の予告
さて、喉がごっくんとなってきましたか?
お次は第5回【グラス編】です。グラスの素材や形状で、中身のシャンパンのお味がまったく変わるんです。実際に家にあるワイングラスで飲み比べた結果を発表いたします。